2012年1月28日土曜日

地球へ2千万マイル

地球へ2千万マイル(1957)
20 Million Miles to Earth
監督:ネイザン・ジュラン


秘密裏に発射されたアメリカの宇宙船が金星に到達し、地球への帰還の途上、隕石と衝突してシチリア沖に墜落する(「波間」に突き刺さっている宇宙船のショットは感動物)。事故を目撃した漁師たちは船に乗り込んで一人を救出し、浜に住む少年は波打ち際で怪しい円筒を発見する。そしてその中にあった怪しいゼリー状の物体をローマから来ていた獣医に200リラで売り飛ばすが、実はこれが金星獣イミールで、復活したイミールは最初は小犬ほどの大きさ、翌朝にはこれが人間大になり、ローマの動物園へ運び込もうと企んだ獣医の檻を破って逃げ出してしまう。イタリアの警察とアメリカ軍が出動して脅えたこの怪物を散々に脅かして生け捕りにした後、結局、ローマの動物園へ運び込む。地球の大気のせいで代謝が混乱したイミールはさらに巨大化するが、周りに集まった世界各国の科学者たちは怪物を縛り上げ、薬漬けにした上で電気を流して痛めつける。ところが日本人科学者のミスで電流が絶たれ、イミールは縛めを解いて暴れ出す。それまでの虐待が虐待なので、これは当然のことであろう。動物園の中なのでまず象と戦い、それから出動してきたイタリア軍と戦い、フォロ・ロマーノを破壊し、コロセウムの壁の上に追いつめられてバズーカと戦車砲の餌食になる。とにかくイミールが痛々しくて、見ているこちらの心まで痛んできた。 




Tetsuya Sato