2011年12月18日日曜日

ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル

ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル
Mission: Impossible - Ghost Protocol
2011年 アメリカ 132分
監督:ブラッド・バード


ロシアの核兵器の発射コードがプラハで盗まれたころ、イーサン・ハントは密命を帯びてクレムリンに潜入し、潜入が露見して脱出したところでクレムリンが爆破され、ロシア側はこれをイーサン・ハントとその一味のしわざであると考え、アメリカ側のスパイ組織は事件を受けて閉鎖され、孤立無援となったイーサン・ハントとそのチームはドバイに飛んで発射コードの受け渡し場所を押さえようと試みるが、事件の黒幕であり、核戦争を自然の摂理であると主張して核戦争を推進する狂気の物理学者ヘンドリクスはイーサン・ハントの前から逃れ、ヘンドリクスが核戦争を開始しようとたくらんでいることを悟ったイーサン・ハントはヘンドリクスを追ってムンバイへ飛び、ヘンドリクスがロシアの軍事衛星にアクセスする前の衛星へのアクセスコードを手に入れようと試みるが、ヘンドリクスは衛星を経由して潜水艦に指令を送り、ミサイルがアメリカに向けて発射される。 ブラッド・バードによる初の実写映画であり、きわめて古典的かつ明快にスパイ映画をしていて、チームの分担が強調され、ギミックが強調され、チームのメンバーがそれぞれに見せ場をになうという点では、劇場版のこのシリーズの中ではオリジナルのテレビシリーズにおそらくもっとも雰囲気が近い。演出はきびきびとしているが、登場人物にステレオタイプとも言えそうな背景が設定されているところでやや拡散した気配がある。とはいえ、登場人物が明確に個人として位置づけられ、個人として合目的化されるところはブラッド・バードの作品の特徴であり、そこに対する言及は結果としては自然な形で回収される仕組みになっている。というわけで非常に満足できる仕上がりで、トム・クルーズは精悍に演技をこなし、ジェレミー・レナーの身のこなしが小気味よい。サイモン・ペッグも実にいい感じだし、ポーラ・パットンの突撃ぶりも悪くない。 


Tetsuya Sato