2011年10月15日土曜日

ビッグ・バグズ・パニック

ビッグ・バグズ・パニック(2009)
Infestation
監督・脚本:カイル・ランキン
メキシコでバーテンダーをしていた不肖の息子クーパーは精力剤のたぐいを売っている会社に就職したあと、上司から勤務態度の不良を理由に早くも解雇を言い渡されるが、その瞬間、耳を苛むような音を浴びて失神し、再び目覚めると繭のようなものに包まれていて、オフィスでは同僚たちが同じように繭のようなものに包まれていて、そこから抜け出すと巨大な甲虫のようなものが襲ってくるのでそれをどうにか撃退して繭から抜け出したほかの人々とともにシェルターを備えたクーパーの実家を目指すものの、気になる女性サラが途中で虫にさらわれるため、いったん実家にたどり着いたクーパーは自らのルールのみを信じる元軍人の父親の反対を振り切り、誇るべきものが何もない自分には今こそ誇るべき行動が必要であると主張して虫の巣を目指して進んでいく。終末型のモンスタホラーのような形式をなぞりながら状況には一定の抽象化を加え、ありがちな状況描写よりもキャラクターの書き込みに専念するという手法が選択されており、その点でそれなりに充実した成果が提示されるので見終わったあとの満足感もそれなりにある。 『スリザー』 ほどのパワーはないが、記憶に値する映画だと思う。
ビッグ・バグズ・パニック 特別版 [DVD]

Tetsuya Sato