2011年10月29日土曜日

三銃士/王妃の首飾りとダ・ヴィンチの飛行船

三銃士/王妃の首飾りとダ・ヴィンチの飛行船(2011)
The Three Musketeers
監督:ポール・W・S・アンダーソン


ヴェネチアに潜入した三銃士はダ・ヴィンチの戦争機械の設計図を手に入れるが、設計図はミレディの裏切りによってバッキンガム公の手に渡り、ガスコーニュを発ったダルタニアンはパリに到着して三銃士のそれぞれと決闘をすることになり、そこへリシュリューの護衛士たちが現われるので、三銃士とダルタニアンは戦って勝利し、苦情を聞いたルイ13世の召喚を受けて褒美を受け取り、リシュリュー卿は王妃アンヌ・ドートリッシュを罠にかけるためにミレディを使って首飾りを盗ませ、その首飾りはミレディの手でバッキンガム公のもとへ運ばれるので、王妃の危機を救うために三銃士とダルタニアンはロンドンを訪れてバッキンガム公と戦い、ダ・ヴィンチの戦争機械で脱出するが、さらに改良された戦争機械を手に入れたロシュフォールの待ち伏せに会い、ノートルダム寺院で決戦を迎える。三銃士は三銃士というよりも分業されたルパン三世を思わせ、したがってミレディのキャラクターも峰不二子に限りなく似通ったものとなっている。歴史的な単純化とキャラクターの単純化が少々気になったものの、そこは好みの問題であろう。キャラクターは単純ななりにそれらしく動き、おおまかなプロットに沿って次から次へと投入されるシチュエーションは、ときとしてやや唐突ではあるものの、どれもそれらしく処理されている。ミレディのミラ・ジョヴォヴィッチがときどき『バイオハザード』のアリスに見えるという欠点はあるが、アクションも殺陣もまとまった形になっていて、いちおう最後までネタ切れはない。つまりポール・W・S・アンダーソンの映画としては破格の出来栄えであり、ふつうに見ても面白い映画に仕上がっている。バッキンガム公のオーランド・ブルームが悪役を嬉しそうに演じていた。『三銃士』を素材にした映画としては、1973年のリチャード・レスター版と比べても成功している部類なのではあるまいか。 


Tetsuya Sato